群馬での2026年東日本選手権/アイスダンス予選会とほぼ同日程で開催されていた2026年のグランプリシリーズ(GPS/GPシリーズ)第2戦カナダ大会(スケートカナダ/スケカナ)。
スケカナの前半は、群馬遠征時の移動中やホテルで配信を楽しみ、最終日の競技は自宅で視聴しました。
まぁ待ちきれずに一部は会場の休憩時間中にスマホで配信を観たりしましたけどね。どうやらスケカナの会場で逆に東日本選手権の配信をチェックしていた方もいらしたようで。

皆どこで観戦していても基本考えることは一緒(笑)
隙間時間を使ってなんとか全カテゴリの気になる選手たちは全て視聴できました。
今回は、スケカナ後半の試合内容を全カテゴリで振り返ります。
2026GPSスケートカナダ リザルト(ISU)
※リザルトページは通常競技前日に公開、滑走スケジュールや採点詳細などが見られます
ちなみにスケートカナダ公式配信では、男子SPをのぞく全競技と公式練習を日本から視聴可能です。ご覧になりたい方は、ネット環境があれば無料で視聴が可能です。
2026スケートカナダ公式配信案内ページ
(各配信の案内ページ。男子SPだけ地域制限がかかっていて、視聴にはカナダのVPNが必要です)
男子シングルフリー エイモズ優勝、中田璃士2位、友野一希6位
私は、順位の予想がつきづらい男子シングルだけは、結果情報をシャットダウンして、アーカイブ配信をライブ気分で楽しみたいと思っていました。
幸い男子SPのときは結果を知ることなくホテルで配信を楽しめました。

東日本選手権会場で「(スケカナ男子SPで誰かが)やらかした」というキーワードだけが耳に入っていたので、「誰がやらかしたのか」クイズ感覚で楽しく見られました。
まぁ最近の男子シングルならSPでやらかしても、挽回は十分可能ですしね。
休憩時間にスマホ画面で見たケヴィン・エイモズの雄姿
男子フリーのある日もあわよくば情報シャットダウンを…と思っていたのですが、近くの席から「友野くんの滑走は休憩時間中だから見られるかも」とか「璃士君の滑走順は競技開始後だから見れそうもない」などという声が聞こえてきます。
「この環境だと情報知らずにいるのは難しいかも…」と今回は早々に諦め、私も整氷中にスマホでスケカナ配信をチェック。(何だかんだ言って、私も観られるものなら観たいのでw)
しかし、画面を開くと友野一希選手の演技は終了しており、その次のケヴィン・エイモズ選手(フランス)が演技をスタートするところでした。

私は普段スマホでフィギュアスケートの試合を見ることは少ないのですが、「いい演技というのは、スマホの小さい画面でも、片耳イヤホンでしか音楽を聞いていなくても、いいと感じられるものなんだな…」という新発見がありました。
前半でジャンプの着氷乱れはありましたが、今回の「鏡の中の鏡」も、思い切って「表現」に振った演技。
今大会はジャンパータイプの選手が多いこともあって、一人だけ87.44点という高いPCSを獲得しています。(PCS2位はミハイル・セレフコ選手の80.52点、後は全員70点台以下)
ちなみにこの時点で技術点の暫定1位は外国選手のようだったので、「あぁこの直前に滑った友野くんは暫定1位は取れなかったんだな」とわかってしまいました。
ただ、エイモズ選手の演技をフルで見ることはできたものの、選手たちがリンク脇に出て来たので得点発表まではたどり着かず。
そして、アイスダンス予選会が始まると気持ちは完全にそちらに集中。スケカナの状況は全く頭にありませんでした。
唯一、休憩時トイレ待ち行列に並んでいた際に「エイモズが…」「3位とは僅差で…」「残念だったね」というような観客の会話の断片が耳に入ってきたくらい。
「璃士くんは優勝を逃したのかもしれないな」と予想はついたものの、結局、一日中詳しい結果を知らずに済んだのはラッキーでした。
新幹線内でアーカイブ配信をライブ気分で視聴した男子フリー
会場を出て帰阪する道中で男子フリーのISU公式配信動画を新幹線車内でライブ気分で視聴することに。
幸い私が乗車した東京―新大阪間ののぞみはすいていて、3人席の窓側席には私一人。周囲を気にすることなく没頭できました。
スティーブン・ゴゴレフ(カナダ)
SPで大崩れし、いきなり第1滑走で出て来たスティーブン・ゴゴレフ選手。今度は4回転ルッツを決めて、4回転3本構成を大きな破綻なく滑り切りました。
NOW THAT’S A COMEBACK! 🤯 Stephen Gogolev delivers an incredible free skate, moving up EIGHT spots to finish 4th overall at #SCI26! 🇨🇦🔥 Stephen Gogolev livre un incroyable programme libre pour terminer au 4e rang aux #IPC26! 🇨🇦🔥 https://t.co/S2BpM6Rnw2
— Skate Canada / Patinage Canada (@SkateCanada) November 1, 2026
微妙な着氷も多かったので得点は165.99でしたが、これならば後半グループまでたぶんずっと彼の暫定1位が続くだろうと確信。
せっかくの地元大会だというのに何でこれが昨日できなかったんだ…と少し残念には思いました。まぁ怪我明けの選手に無茶言っちゃいけないですけど。

結局、「ひょっとして表彰台ありうる?」というところまでは行きました。結果は4位。グランプリファイナル(GPF)進出の夢がまだ残りました。
彼の次のアサインはフィンランド大会、ここで優勝すればGPF進出になる可能性は高そうです。
フィンランド大会はアサインがあまり厳しくなくてある意味「穴場」扱いされていたのですが、ロシアのエフゲニー・セメネンコ選手がAINとしてアサインされて事情が変わりました。
フィンランドへの入国をめぐる不透明な状況もありますが、セメネンコ選手はビザを取得済みと報じられています。

ミハイル・セレフコ(エストニア)
長らく続いていた暫定1位・スティーブン・ゴゴレフ選手のスコアをようやく上回ることができたのは、ミハイル・セレフコ選手(エストニア)でした。

冒頭の4回転サルコウが乱れた段階では、「あぁ、より緊張しそうなGPS大会ではCS大会で優勝した時のようにはいかないかな…?」と思ったのですが、冷静に立て直して4回転3本構成をやり遂げていきます。
彼とスティーブン・ゴゴレフ選手が強いのは、トリプルアクセルを組み込んだジャンプシークエンスを入れられること。しかもどちらも後半に投入しているので、後半ボーナスがついてかなりの高得点を得られます。
フリー得点は169.08、総合248.66。CS大会序盤での好調は嘘ではありませんでした。最終結果は3位。GPS初メダルを獲得します。
友野一希
友野一希選手は現地入りしてから風邪がぶり返してしまって、SP前日の公式練習を欠席するような状況。SPはそこそこ行けたけどフリーは持つのかな?という心配はありました。

そして、当日の東日本会場でスマホで見た配信画面で、メダルを逃した可能性が高そうだとはわかっていました。
でも、彼のフリー演技は私の予想を超える展開でした。
冒頭の4回転サルコウが2回転になり、続く4回転トゥループ+2回転トゥループの着氷が乱れたあたりまでは想定していました。
「ここからあとを完璧にまとめれば…」と気持ちを切り替えようとしたところで、トリプルアクセルが抜けてしまったのはかなりショック…。

最後のステップではさすがの盛り上げ番長ぶりを発揮していましたけどね。
この大会は次戦の中国大会などに比べると、強豪選手の数が少なめです。表彰台に乗れる可能性が高いアサインだっただけに、またもや絶好の表彰台チャンスを逃してしまっただろうことが、ただただ悲しくて…。
得点は137.54、総合222.85。6位に踏みとどまりましたが、彼が掲げていた「GPF出場」の夢をつなぐためには、せめて4位には入っておきたかっただけに、この結果は辛かったです。
その後は、彼より年上のケヴィン・エイモズ選手が抑えたジャンプ構成ながら表現力を生かした演技で258.43を出し、優勝。
昨年のスケアメを思い出す展開
昨年のGPSアメリカ大会(スケアメ)でも、友野一希選手がフリーで崩れてケヴィン・エイモズ選手が優勝するという展開がありました。

あの時は友野一希選手がSP1位発進し、「友野くん、GPS初優勝のチャンスかも!」と期待が高まっていたところ、フリーで崩れ銅メダル。
ケヴィン・エイモズ選手にとってはGPS初優勝だったので、それ自体はとても喜ばしかったけれど、このときは「友野くんの初優勝」への期待が大きかっただけに、本当に複雑な気持ちで…。
まさか2年連続で、GPS大会で似たような展開が繰り返されようとは。私は新幹線の中で思わずどんよりとした気分になってしまいました。
しかも、今回は試合後のインタビューで進退に関わるような内容の発言までしているし…今もGPSで毎回表彰台争いに加わり続けていられることは本当に凄いこと。それでも、こうやって自分への期待が裏切られる展開が続くと、気持ちを保つのは本当に大変なんだろうなと思います。
次のフィンランド大会までに気持ちを切り替えて、またいい演技を見せてほしいと思います。
中田璃士
「中田璃士選手はきっと優勝を逃したんだろうな」という空気感は感じ取っていたので、演技を見る心構えはできていました。
でも、まさか鉄板の4回転トゥループが2本とも抜けてしまうとは思いもしなかったです。

GPSデビュー試合、何らかのミスは出るだろうとは覚悟していました。SPでスピンのミスがあったし、もう「厄落とし」は済んだものと思っていただけに、フリーでもここまでのミスに見舞われるとは。
その後の演技をまとめたのはさすがでしたが、若干心がここにあらずのような雰囲気に私は見えました。
4回転2本がすっぽ抜けても、249.25を出せたのは凄いことです。また、総合得点が250点を切っても2位に入れる大会だったことは幸いだったかもしれません。
ただ、彼のGPSアサイン状況を考えるとここは優勝しておきたかったところでした。
GPF進出争いは、見ている側からすれば楽しい闘いでしょうけれど、やる方はたまったもんじゃないですよね(苦笑)。ただ、中田璃士選手だと、こういう状況の方が逆に燃えていい結果をNHK杯で出せるかもしれないと期待しておきます。
メダリスト会見で、ケヴィン・エイモズ選手が若い二人に「自分でコントロールできない結果に押しつぶされないで」というメッセージを送っていました。何度も押しつぶされてきた人の言葉には説得力があって、温かいです。

女子シングル
島田麻央の圧倒的なシニアGPS初優勝!
島田麻央選手のシニアGPSデビューはSPもフリーも何とも見事な完全優勝でした!

SP1位で臨んだフリー、木下グループ杯と同様、トリプルアクセルと4回転トゥループどちらも着氷。(ただし4回転トゥループは回転不足判定「<」)ジュニア最終年の昨シーズンあれほど4回転トゥループに苦戦していたのが嘘のようです。
実際のところ、朝の公式練習では4回転トゥループに手こずっていたようなので、試合でしっかり着氷できる彼女のコントロール力がずば抜けているのかもしれませんが。

ところで今大会で気づいたんですが、米国のイザボー・レヴィト選手と島田麻央選手は1歳違うだけなんですね…
年齢規定改正の煽りをもろに食らい、4年もジュニアに「閉じ込められていた」島田麻央選手
彼女が今ようやくシニアの世界で悠々と泳いでいる姿は痛快ではあるのですが、ちょっとせつなくなるときもありますね…
なお、2位はニーナ・ペトロキナ選手(エストニア)でした。
CS大会では4回転サルコウを入れ続けてきましたが、今回は回避。それで143.83を出せたわけですから、今後彼女が4回転サルコウを入れ続けるかどうかは気になりますね。
今大会はトリプルアクセル持ちの選手が多数出ていたのですが、挑戦した選手よりも回避した選手の方が得点には結びついていた印象があります。

三宅咲綺の鮮烈な海外大会デビュー
23歳にして、初めての海外での国際大会に出場した三宅咲綺選手。
私は、海外のフィギュアスケートファンに彼女の演技を見てもらえることが楽しみでたまりませんでした。

「こんな凄い選手が何で今まで海外の大会に出てこなかったんだ?」
「日本は何で彼女を隠してたんだ!?」
ってきっと驚くよ!…って
SPでの素晴らしい演技は、群馬のホテルでアーカイブ視聴しました。
「想像通りの反響を呼んでる!」と私はニマニマw

さらに、フリーでも素晴らしい演技をして、自己ベストを13.30点更新し、総合210.09点を記録。
その後滑った米国のイザボー・レヴィト選手は、後半のトリプルルッツが1回転になるなど手痛いミスが出たので、私はてっきり三宅選手が表彰台に上がると思ったのですが…。
結局、レヴィト選手がわずか2.13点上回りました。三宅咲綺選手は惜しくも4位。
三宅咲綺選手のGPSアサインは、この1試合だけ。
でも、これだけの得点を出せば、来季もGPSに招待される可能性はかなり高まったでしょう。

たった1回のチャンスを、彼女は掴みました
これは本当に凄いことだと思います
三宅咲綺のGPS2枠目追加はある?
彼女の今回の得点は、10月19日版のPS待機リストで2番手にいるアデリア・ペトロシアン選手の204.16点を上回っています。
(待機リスト最上位はイグナトワ選手ですが、彼女はGPS2枠確定済みで次の更新でリストから外れます)
ただし、GPS大会4位の選手の成績が、待機リストに反映されるのかどうかは、ISU資料に明確な記載がありません。ISU公式待機リストは10月19日付版以降、現時点では更新が確認できません。
実は、先日スケートアメリカに出場予定だったニーナ・ピンザローネ選手(ベルギー)が棄権を発表しています。
スケートアメリカは、今後開催予定のGPS大会では、日本女子が2名しか参加していない唯一の大会です。
「GPS大会で同じ国の選手が出場できるのは3名/3組まで」という規定があります。現状のアサインが維持されるなら、三宅咲綺選手のGPS2大会目の出場が可能なのは、スケートアメリカしかありません。
ただし待機リストの優先順位がどうなるのかなど不明な点が多いので、三宅選手のGPS2戦目がありうるのかどうかはまだわかりません。
アイスダンス
東日本選手権を観たあと、GPSのアイスダンスを見ると「う、うまい…」となります。いや~世界の壁は厚いですね。
大方の予想通り、「フィアギブ(ライラルイス)」ことライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組(英国)が優勝でした。

「フィアギブ(ライラルイス)」のリズムダンス(RD)は初戦のボレロカップで初披露時の評判が今一つで、一時はプログラム変更も噂されていましたが、スケートカナダでは従来の選曲を継続。初披露時から気になる点をもろもろ改善して臨んだようです。
2位は「ロパブリ」ことエフゲニア・ロパレワ/ジョフレー・ブリソー組(フランス)。
そして3位を争ったのは、アメリカの2組です。
アメリカの「グリパー」VS「ブラウン兄妹」は?
私が一番気になっていた、アメリカの「グリパー」こと「キャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ組」VS「ブラウン兄妹」こと「ウーナ・ブラウン/ゲージ・ブラウン組」の闘い。結局、「グリパー」が「ブラウン兄妹」を2.30点上回り、銅メダルを獲得しました。
この二組の今シーズン序盤の対決についてはこちらの見どころ記事にまとめています

CS大会ではツイズルで転倒するミスが続いていた「グリパー」でしたが、GPSにはしっかり合わせてきました。
CS大会の演技のときとは気迫も体のキレも違っていた気がします。
ゴールデンワルツ(パターンダンス)でついにYYYY!
特にパターンダンス(ゴールデンワルツ部分)ではキーポイント4か所全てをクリア、おそらく今季初?の「YYYY」をマーク。(ミラノ五輪金メダルの「フルシゼ」ことロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組ですら、フランス大会では一つキーポイントを落としています)

「YYYY」が表示されるとやっぱり気持ちが上がりますね!
ペア
ペアは、地元の「リアトレ」ことリア・ペレイラ/トレント・ミショー組(カナダ)が優勝!
2位は「エフィミト」ことアリサ・エフィモア/ミーシャ・ミトロファノフ組(米国)。ミトロファノフ選手の怪我の影響もあったのか、まだ仕上がりが遅れている印象でした。ペア選手は、怪我による棄権も多いですし、大変な競技だなと思います。

3位にはスイスのヴォイラモズ/ボーヴァー組が入りました。
ヴィクトリーラップのとき、関係者がスイス国旗を用意していなかったみたいで、どうやら観客から借りていたようです。予想外だったんですかね…?スイス国旗を持っていらっしゃる方がいてよかったです。
「みゆスティン」、GPSデビュー!
そして、今大会がGPSデビューとなった、「みゆスティン」こと柚木心結(みゆ)/トリスタン・テイラー組は7位、フリーでシーズンベストスコア(SB)を更新しました。

フリーで「オペラ座の怪人」のドラマチックなプログラムを滑り終わったと思ったら…
キス&クライで柚木心結選手とコーチがハロウィーンのかぶりものをして、トリスタン・テイラー選手が何故か長髪のかつらをかぶっていたのは楽しかったですね。
もうちょっとハロウィーンっぽい仮装はなかったのかwとは思いましたが、ニコニコで終われるキス&クライはいいものです。
「リアトレ」のGPFを賭けた次戦はロシアペア3組との対決?
今大会で優勝した「リアトレ」の次戦は、フィンランド大会です。
アサインされていた選手の棄権が相次いだため、待機リストにいたロシアペアが次々にアサインされ、ロシアペア3組と対決することになってしまいました。
その点、今回優勝できたことは大きいです。もしロシアペア全組が彼らを上回ったとしても、4位を確保できればおそらくGPF進出は可能でしょう。
ただ、今月に入ってからフィンランド政府がロシア人選手の入国制限を進める方針を明らかにしています。
男子のセメネンコ選手はフィンランドビザを取得しているとの報道がありましたが、ロシアペア3組については、フィンランドのビザを取得済みという確認情報が見当たりません。

もし8組中3組も参加できないとなったらかなり大変な事態になりますが、どうなるんでしょうね…
さいごに
細切れ視聴したスケカナ後半を駆け足で振り返りました。
東日本選手権/アイスダンス予選会とかぶっていなければ、もう少しじっくり堪能したかったところですが、体が二つない以上仕方がありません。
今週末のGPS中国大会と西日本選手権については、どちらも自宅の隙間時間でのんびり配信視聴予定。中国大会は日中に視聴可能なので、逆に所用との兼ね合いがちょっと心配ですけど、群馬まで出かけた先週末よりは楽になるはずと期待しています。
