2026GPSフランス大会前半戦/アイスダンスの「お勉強」と女子の熱戦、波乱の男子SP

GPSフランス大会の大会ロゴ

グランプリシリーズ(GPS)フランス大会、アイスダンスと女子シングルの競技が終了しました。日本時間の今夜10月25日夜には、ペアと男子シングルのフリーが行われます。

しかし、私今日はYOASOBIのライブに子ども達と行く予定で、観戦記録をゆっくり書きとめている時間がありません(苦笑)。

なので、今日の時点では比較的ざっくりとした前半戦振り返りを書き残しておくことにします。

…と言いつつ結構書いちゃいましたけれど。

2026GPSフランス大会リザルト(ISU)
※滑走スケジュールや、採点詳細が見られます

なお女子シングルの項目以降は競技結果のネタバレを含んでおりますので、未見の方はご注意ください。

目次

配信視聴で、アイスダンスのお勉強&ライブのスリルを楽しむ

GPSフランス大会、私は初日のアイスダンスRDと女子シングルSPは、翌日土曜にISUのYouTube公式チャンネルの配信アーカイブを、友人と一緒にテレビで疑似ナマ視聴することにしました。

ISUのYouTube公式配信の視聴方法についてはこちら

競技時間が日本時間の深夜~早朝だったということもありますが、今季はアイスダンスのルールを本腰を入れて覚えたいので、今季GPS第一戦の解説をじっくり聞きながら視聴したかったのです。

長時間英語実況を聞き続けると疲れるし、アイスダンスの細かい技術解説を聞き逃したくないので日本語字幕表示をつけてみました。

日本語への機械翻訳の精度は数年前に比べたら格段に良くなりましたが、それでもトンチキな訳語が度々表示されるのはご愛敬w

昨季までの私は、アイスダンスの採点表を後でチェックしたりはするものの、観戦中は技術要素のことはあまり気にせずのんびり視聴していました。現地観戦のときはツイズルのときに緊張するくらいで、あとは何も考えずに楽しむのが常。

でも、長年応援してきた宇野昌磨さんが、本田真凜さんと「しょまりん」としてアイスダンス競技で現役復帰するとなった今、そうもいっていられなくなりまして(苦笑)。

現地観戦しているときに「今の要素は〇〇で、レベル要件はどれだけ満たせていそうか」ということくらいは頭の片隅で確認しながら見られるようになりたいなと。

なので、今季序盤のCS大会でも、アイスダンスはルールのことをかなり気にしながら見ていました。

シーズン前半のアイスダンスは、例年「今季はどんなプログラムかな~♪」くらいしか考えていなかったんですけどねw

アーカイブ視聴中は友人と一緒に、

「この組はサーキュラーステップから入るのね」
「こっからがパターンダンスだね」
「ここがCDE(クリエイティブ・ダンス・エレメント)だね」

と要素を確認しながら見ていくということをやりました。

昨日1日で大分訓練されたので(笑)、暫定技術点表示が見られない現地観戦でも今どの技術要素をやっているかはおおよそ把握できるところまでは来れたように思います。

友人と一緒に家で観ると、「パターンダンス(今季はゴールデンワルツ)」の暫定技術点表示が出たときに

「この組はNNNY!」
「NNNNだ、レベル1じゃなくてBになっちゃうよ~」
「ここはニューヨークニューヨーク(NYNY)だ♪」

と馬鹿なことを言いながらワイワイ楽しく見られるのはよいですね。現地観戦ではこんなトークはできないですしw

スケオタにはおなじみのフランス大会の酷いカメラワークも…

「パターンステップ中になんで顔を映すの~!キーポイントのとこかもしれへんやん!」

と突っ込みながら見られるのは、いら立ちがわずかながら軽減されてよかったです

順位の想像がつかない女子シングルについては、敢えて結果を耳に入れないようにして、ライブ感覚で視聴。画面にワイワイ突っ込みながら見られて楽しかったです。

この後の項目は競技結果について触れていますので、視聴前の方はご注意ください。

女子シングル|日本勢の複数表彰台、今年はどうなった?

女子シングル、日本女子複数表彰台の可能性は高いと思っていたのですが…

残念ながらそれはならずでした。

期待へのプレッシャーと闘っていた中井亜美選手

SPではトリプルアクセルがすっぽ抜けてしまった中井亜美選手が、見事なフリーで逆転優勝!

フリーの149.08点は、去年のフランス大会フリーと全く同じ得点です(笑)。

フリーのトリプルアクセル、飛び上がった瞬間に「ああ、軸がずれてる!」と私は転倒を覚悟しました

なのに、普通に着氷しちゃって超ビックリ!

そこから勢いがついたかのように、最後までフルスロットルで走り抜けたのは若さのパワーを感じましたね。

ただ、いつも笑顔の彼女が演技終了後少し涙ぐんだあたりには、今季のプレッシャーを少し感じさせました。

青木祐奈選手がフリーで見せた闘志

SPでは冒頭のルッツ‐ループが少し詰まったくらいで後はほぼ完ぺきだった青木祐奈選手。

SPで観客の大声援を受けてステップを駆け抜ける彼女を見られたのは本当に幸せでした。競技続けてくれていて本当によかった。

ルッツ-ループがクリーンに決まればSP80点台も期待できるのがわかっただけでも、大収穫のSPだったと思います。

しかし、残念ながらフリーでジャンプが乱れてしまいました。3位とは1.75点差だったので表彰台までは本当にあとわずか。

実は私、冒頭のルッツがダブルに抜け、コンビネーションにならなかった時点では

「これは後半でフリップ-ループのリカバリが見られるかも?」

と期待がむしろ高まっていたんですけどね

動揺があったのか、珍しくスピンとステップの両方でレベルを落としてしまいました。

リカバリーを試みようとした後半のトリプルルッツはダブルに、最後のトリプルフリップにダブルトゥループを付けに行きましたが、そこで転倒。

でも、どれだけミスが続いても最後まで闘い続けるのが、私が彼女を応援したくなるところです。

彼女が引退を一度口にした、2024年の全日本フリーを思い出しました。

期待されていた全日本フリーでジャンプミスが続いてしまった彼女が、ラストのトリプルフリップにトリプルループを付けたその瞬間を、私は今もはっきりと思い出せます。

このときとは逆の展開になってしまったけど、彼女の気持ちに感銘を受けたのは今回も同じです。

他の選手たちの演技

ララ・ナキ・グットマン選手(イタリア)

他の選手たちの演技で私の印象に強く残ったのは、ララ・ナキ・グットマン選手のフリーでしょうか。

ミラノ五輪シーズン前の2シーズンはちょっと個性的なプログラムを演じていた彼女が、超正統派路線に挑んだ印象のプログラム。北極の自然や氷、人間による環境への影響を表現しているそうです。

今のところ、今季女子シングルでは一番印象的だったコレオスピンでした。

「レベル獲得条件となる動作」の枠を取り払うと、こういう独創性のあるスピンがまた見られるようになるんだ~

と、ちょっと嬉しかったです

アナスタシヤ・グバノワ選手(ジョージア)

中井亜美選手の会心のフリー演技で会場が盛り上がった直後に登場した、アナスタシヤ・グバノワ選手。

下記の写真の左側。右側のララ・ナキ・グットマン選手、背が高いのは知ってたけどこんなに高いんですね…

SPフリーとも衣装番長っぷりは変わらず。スタミナが切れたのか後半のジャンプで回転不足判定のジャンプが続きましたが、細部まで行き届いた演技をまとめきったのはさすがだなと思いました。

住吉りをん選手

住吉りをん選手は、4回転トゥループの着氷こそなりませんでしたが、他はまとめきってフリーは4位。合計190点台まで載せてきました。

フリーでもトリプルアクセル(qマークつき)を降りたキム・ユソン選手に上回られましたが、SP8位から総合6位まで順位を上げています。

2戦目のフィンランド大会に期待です。

アイスダンス|「フルシゼ」圧巻の演技

アイスダンスは予想通り、「フルシゼ」ことロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組(フランス)の圧巻の勝利でした。

2位には13.64点もの差がついています。アイスダンスでこの点差は、シングル競技なら30点以上開いているイメージ。今季は「フルシゼ」の独走が続きそうです。

衣装も曲も、「シゼロン」風味満載

フラメンコの振り付けの要素を取り入れたRDでは、胸元が大きく開いた黒いジャンプスーツのようなパンツの上に、マタドールのような黒ジャケットをまとい、これでもかと胸筋を露出する衣装。

FDでは袖なしの練習着のような衣装で、こちらも相変わらずのシゼロン風味な衣装セレクト。

そして、フリーの曲もシゼロン風味というべきか…

演技は圧巻だし、彼らの技術を生かした振り付けがされていて、とにかく「うまい」の一語で全く飽きることなく魅せ続けられる実力はすさまじいです。

(私が気になっていた、RDのCDEのアクロバティック要素は、シゼロン選手のスライディングムーブだったようです)

でも、正直もうちょっと違う路線のプログラムを観たい気持ちがありますね。

彼らがこの路線をやると右に出るものがいないのはわかりきっているので…五輪後の2シーズンくらいは何か新しい挑戦をしてほしいという欲が出てきました。

横綱相撲過ぎるというかなんというか…

演技自体には大満足なのに、ごくわずかな不満が片隅に残るという、何とも不思議な体験をした気分です

「デビスモ」と「カレポノ」のジャッジ評価は?

「デビスモ」ことダイアナ・デイヴィス/グレブ・スモルキン組と、「カレポノ」ことクリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ組へのジャッジ評価は、RD・FDともに「デビスモ」に軍配が上がりました。

「デビスモ」は、木下グループ杯でナマで演技を見ることができましたが…

その後FDの曲も振り付けもあれこれ変えてきて、もはや別のプログラムという感じ

アイスダンスではプログラム振り付けをどんどん変えていくことは珍しくないですけど、彼らの変化は結構大きいように思います。

個人的にはどちらも「カレポノ」のプログラムの方が好みなんですけどね~。

まぁ個人の好き嫌いとジャッジ評価は別なので、そこはどうこういうつもりはありません。

他の組も興味を惹かれる演技がいくつかあったのですが、書き残している時間はないので表彰台3組の話題だけでとどめておきます。

男子SP|有力選手に相次いだ転倒やジャンプの抜け

大会前、私は今回の男子シングル出場メンバーは、調子の波が激しい選手が多いことを少々心配していました。

その予想は的中。みんなことごとく乱れるではないですか…。

まぁ第1戦の男子シングルだとこんなものかとは思いますが、それにしてもなかなかの展開でした。

アダム・シャオ・イム・ファ選手のSP首位発進は、ある意味予想外な展開?

その中で唯一ほぼノーミスだったのが、好不調の波が極端な選手代表格であるアダム・シャオ・イム・ファ選手(フランス)。

これは、ある意味予想外の展開(苦笑)。

GPSフランス大会では2022~2024年に3連覇、2025年も銀メダルと相性のいい大会ではあるんですけど、GPSの段階でSPをここまできっちり滑り切るイメージはなかったので驚きました。良すぎる結果に、逆にフリーが心配になってしまうレベル。

普通はSPの時点で17点近くも差がついていたら優勝確実、となりそうなものですが…

彼はミラノ五輪、プラハワールドとSPで100点超えで「メダル有力?」と期待されたあと、フリー大崩れという展開が連続していますからね。

その悪い流れは、地元フランスで断ち切ってほしいです

アダム選手以外はジャンプミス続出

アダム・シャオ・イム・ファ選手以外はほぼ全員、大きなミスが出ました。

ミハイル・シャイドロフ選手は4回転ルッツで転倒、コンビネーション無し

ミラノ五輪金メダリストのミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)は冒頭の4回転ルッツで転倒、予定していたコンビネーションジャンプにできませんでした。

後半の4回転トゥループでリカバリーするだろうと思っていたら、着氷したらすぐにステップに入ってしまって唖然。

ええ!?なんでセカンドジャンプつけなかったの?

そんなに急いでステップに入らないといけない、リカバリーの可能性を微塵も考えていない構成だったら大問題なんじゃないの?

…と次々に脳内に「?」が

でも、試合後のインタビューを聞く限りは単純に後半でコンビネーションにしなきゃいけないことをすっかり忘れていたようです。なら大丈夫かな…?

80.25点でSP4位発進となりましたが、彼はジャンプが上手くハマれば大量の技術点を取れます。フリーの演技次第では一気に順位を上げてくる可能性はありそうです。

2本の4回転が不発に終わった、アレクサンドル・セレフコ選手

アレクサンドル・セレフコ選手(エストニア)は、採点表にマイナスこそないですが、「1回転ずつの抜け」が重なりました。

予定していた2本の4回転ジャンプがどちらも決まらず、冒頭は3回転ルッツ、後半は3回転トゥループ-2回転トゥループのコンビネーションに。

私は「敢えて手堅い構成にしたのかな?」とも思っていたのですが、インタビューを聞くとそうではなかったようです。冷静そうに見えていましたが、本人的には結構なパニックだったようです。

彼はスピンもステップも得意なので、今季のスピン・ステップの基礎点が上昇したことも手伝って85.49を出すことができましたが、よくこの構成でこの点が出せたなと感心します。

オールラウンダーはこういうミスに強いですね。

4回転サルコウで転倒した、ソ・ミンギュ選手

木下グループ杯で見事なフリーを見せたソ・ミンギュ選手(韓国)。

木下グループ杯のSPでは、残念ながらミスが連続しました。

「今回はいいSPが見られるか?」と期待していたのですが、冒頭の4回転サルコウは転倒。83.83点にとどまりました。

今夜は「シェルブールの雨傘」の舞台となったフランスで、あのフリーを演じることになります。

木下グループ杯で話題になった、辛い別れを表現した最後のコレオスピン。会場で解説をしていた町田樹さんも後日あちこちであのコレオスピンを熱く語っていました。

あの元祖でもある「キャンデロロスピン」を生み出した、フィリップ・キャンデロロさん本人の目の前で披露すると思うと、ゾクゾクしますね。

長野五輪の演技のかけら(ちなみに長野五輪ではキャンデロロスピンは実施していません)

キャンデロロさんはついに長年の解説席ではなく、今回はずっと観客席にいて度々配信画面に映っています。

昔彼を応援していた私としてはちょっと嬉しいです。表彰式にも登場します!

怪我明けのなか、なんとかまとめた山本草太選手

怪我明けの山本草太選手、練習であまりジャンプが決まっている感が無かったので私はかなり不安でした。

なんとか冒頭の4回転トゥループは着氷、トリプルアクセルがダブルに、後半のコンビネーションではセカンドジャンプの着氷が乱れてしまいましたが、プログラム自体はまとめることができました。

77.02点でSP8位は、彼の本来の実力を思うと厳しいスタートではあります。

でも、今置かれているコンディションを考えると十分踏みとどまっているように思います。フリーでは魅力的な演技をして、できれば8位以内に入ってほしいですね。

ジャンプが最後までうまくハマらなかった、三浦佳生選手

三浦佳生選手は現地入りしてからの練習情報では好調が伝えられていたし、私が見た公式練習や6分間練習でもいずれも見事にジャンプが決まっていました。

「これほどまでにジャンプの安定感がある三浦佳生選手は見たことがないかも?」という状態でした。

でも、プログラムを滑り始めてジャンプの助走に入った段階で、「これは何かヤバイ気がする」という悪寒が走りました。「いつもの助走」になっていたように見えたからです。

その結果、4回転サルコウは物凄いスピードで転倒、トリプルアクセルでは大きく着氷が乱れ、後半の4回転トゥループは着氷が詰まってしまって連続ジャンプをつけることができず。

「コンビネーションジャンプ無し」というSPでは致命的な状態になったうえ、4回転トゥループ直後に入れたスピンは、最初の姿勢が上手くとれなかったためか、ノーカウントに…。

「先日の東京フィギュアスケート選手権では会心の演技ができていたけど、国際大会となるとそううまくはいかないかもね」と心構えはしていた私

でも、SP72.67点で9位という結果は、さすがに想像していませんでした

彼の演技後のインタビューを読むとこちらもどんよりしてきます。

「何でこううまく行かないのか」という気持ちは本人はもちろん、ファンも感じていることでしょう。本番に入ると違うスイッチが入っちゃって、練習でできている状態を再現できないんですかね。

でも、今回のような演技になってしまっても、PCSは全体の3位をもらえています。

ポテンシャルは凄い選手なので、解決できることを祈ります。

実は、誰が表彰台に乗るか全然わからない展開

三浦佳生選手も山本草太選手も70点台と、スタートでは出遅れてしまった感は確かにあります。

しかし、2位は85.49。男子シングルでこのくらいの点差なら、SP70点台の選手も十分逆転可能。表彰台の可能性は十分ありますし、何なら優勝できる可能性すらありえます。

まぁ、そのためにはアダム・シャオ・イム・ファ選手のミスが前提になってしまうので、そこは考えたくないですが…。

気になるフランスのデモの状況

ちょっと心配なのは、フランスのデモの状態ですね。

下記のような情報も出ていて、選手たちが会場で長時間過ごさなくてはならなくなっているようなので、疲労がたまっていないか心配です。


今夜の男子フリーが開始するのは、日本時間の21時過ぎ。YOASOBIのライブは17時スタートの予定なので、その頃にはきっと帰宅できているでしょう。

画質がちょっと落ちるけれど町田樹さん解説が聞けるBS朝日152chの放送で観るか、ISU公式YouTubeチャンネルの配信で見るか…現在激しく悩み中です。

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