グランプリシリーズ(GPS)開幕まで、あと3週間ほどとなりました。
そして今日10月1日の19:45(日本時間)から、ジョージアで開催されるチャレンジャーシリーズ(CS)の「トリアレティ杯」が始まります。
今回は、GPS開幕前に行われるCS3大会の見どころを、取り急ぎまとめることにしました。
まだ情報の出揃っていない大会の情報については、後日追記していく予定です。
<10/4>デニス・テン メモリアルの無料配信情報追記
<10/8>ブタペスト杯のエントリー、見どころ、配信情報等を追記
今季CSは「GPS待機リスト争い」にも注目!
ロシア・ベラルーシ勢の国際試合復帰で注目の「GPS待機リスト」

今季はロシア・ベラルーシ勢のAINとしての出場が認められたことにより、GPSの欠場者が出た場合に追加招待を受ける「待機リスト」の動きが、例年以上に注目されています。
GPS表彰台を狙える実力を持つロシア・ベラルーシの選手たちは、CS大会に出場を続けるなかで追加出場のチャンスを狙っています。
少しややこしい「GPS待機リスト」追加条件
CS大会の優勝者は、待機リストに追加されます。
(ペアだけは例外で、CSでGP最低スコアを獲得すれば、優勝しなくても追加対象になります)
AINについては、待機リスト入りにはAIN資格に加えてGP最低スコアなどの条件を満たす必要があります。
「GPS待機リスト」への追加条件や「GP最低スコア」の詳細はこちらでどうぞ

ちなみに今季のGP最低スコアは、男子197.64/女子142.97/ペア137.00/アイスダンス138.49です。
※開催国枠など、一部の出場者にはGP最低スコアの例外があります。
参照:ISU Grand Prix 2026/27 General Announcement(8月28日版)の page4 of 14
今日(10/1)開幕!「トリアレティ杯」
ここからは、GPS開幕前のCS大会の見どころをまとめていきます。
今後GPS開幕までに行われるCS大会は「トリアレティ杯」、翌週の「デニス・テン メモリアル」、そして「ブダペスト杯」の3つです。
2026年のISU開催試合予定一覧
まずは本日10月1日(木)から競技が始まる、ジョージア・バトゥミ開催の「トリアレティ杯」の見どころから進めます。
最大の注目はペア!「ミーガリ」が国際大会復帰
「トリアレティ杯」にはロシア・ベラルーシ勢がAINとして多数出場しますが、中でも注目を集めているのは、「ミーガリ」ことアナスタシア・ミーシナ/アレクサンドル・ガリャモフ組。
2022年北京五輪銅メダル、2021年世界選手権優勝のペアです。

ミラノ五輪では、出場許可が下りなかった「ミーガリ」。

9月3日に資格を取得したものの(※リンク先はロシアのニュース)、その後も出場をめぐって様々な見方が出ていました。
結局AIN資格は継続され、4年半ぶりの国際試合出場が実現しそうです。
「ミーガリ」vs「メテベル」
地元ジョージアからは、ミラノ五輪&2026年世界選手権銀メダル、欧州選手権優勝のアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組が出場します。


この2組の優勝争いは熱いですね…
一方、久々に国際大会に出場する「ミーガリ」にとっては、「スコア」も重要です。
ペアの場合、GP最低点の137.00を獲得すれば待機リスト追加条件を満たします。
以前の国際大会パーソナルベスト(PB)が239点台の「ミーガリ」の待機リスト入りは、まず間違いなさそう。彼らとしては、ここでできるだけ良い点数を出して待機リストトップに入りたいところでしょう。
現在待機リスト最上位のボイコワ/コズロフスキー組が木下グループ杯で出した203.66点を上回り、今大会でもAIN勢の最高得点となれば、待機リスト最上位に入ります。
ちなみに、木下グループ杯で2位、202.55点を出した「チクヤン」ことチクマレワ/ヤンチェンコフ組も今大会に出場します。

彼らも「ボイコズ」の203.66点を超えることが目標になりそうです。
女子もペトロシアン、フロロワ、ペトロキナ、グバノワら豪華メンバー
女子シングルには、アデリア・ペトロシアン選手(AIN)、アンナ・フロロワ選手(AIN)、ニーナ・ペトロキナ選手(エストニア)、地元ジョージアのアナスタシア・グバノワ選手と、豪華なメンバーが揃います。
昨季ミラノ五輪出場経験のあるアデリア・ペトロシアン選手は、今大会で総合142.97以上を獲得すればGPS待機リスト入りです。

昨季SBを持たないアンナ・フロロワ選手は、先日の木下グループ杯で207.86を出しましたが、CSで最低点を超えただけでは待機リスト入りが認められません。リスト入りにはCS優勝が必要です。
しかし、よりによってこのメンバーでは、ハードルが高いですね…。
男子はヴェトルギンVSセレフコ弟の再戦
男子シングルではロンバルディア杯で2位となり、GPS待機リスト入りを逃したマトヴェイ・ヴェトルギン選手(AIN※ロシア)が、優勝を阻んだミハイル・セレフコ選手(エストニア)と再度対戦します。

地元ジョージアのニカ・エガゼ選手、AINのニコライ・ウゴジャエフ選手も優勝争いに絡みそうです。
アイスダンスは19組も!「デビスモ」「パセチリ」再戦にも注目
アイスダンスは19組がエントリーする大所帯。AINとして出場するロシア・ベラルーシ勢が5組います。
注目は、木下グループ杯にも出場した「デビスモ」ことダイアナ・デイビス/グレブ・スモルキン組(ジョージア)と、「パセチリ」ことダリヤ・パセチニク/ドミトリー・チリサノ組(AIN2 ※ロシア)でしょう。
木下グループ杯では「デビスモ」が189.99で優勝、「パセチリ」は172.71で5位でした。

「デビスモ」は昨季のトリアレティ杯でも優勝しており、地元ジョージアで連覇を狙います。
他では、ロンバルディア杯で6位だったナターシャ・ラグージュ/アルノー・カッファ組(フランス)、マリア・イグナテワ/ダニイル・セムコ組(ハンガリー)あたりにも注目しています。
配信&日本時間スケジュール

男子シングル以外は、日本からでも比較的ライブ視聴しやすい時間帯です!
| 日付 | 競技予定(日本時間) |
|---|---|
| 10/1(木) | 女子SP 19:45~/アイスダンスRD 22:45~/男子SP 翌1:50~ |
| 10/2(金) | ペアSP 20:00~/アイスダンスFD 21:15~/男子フリー 翌1:30~ |
| 10/3(土) | ペアフリー 20:00~/女子フリー 22:30~ |
トリアレティ杯・Ice Stars配信購入ページ(24.70ユーロ/279SEK)
翌週は「デニス・テン メモリアル」
翌週はカザフスタン・アルマトイで開催される「デニス・テン メモリアル」。
こちらもロシア勢を含め、今季2戦目のCSとなる選手が多数出場します。

女子シングルではイグナトワ(トゥルソワ)がCS優勝を狙う
シニア女子エントリーは現時点で21名。
AINとしては木下グループ杯2位のアレクサンドラ・イグナトワ(トゥルソワ)選手、マリア・ザハロワ選手が出場。
イグナトワ(トゥルソワ)選手はここで優勝してGPS待機リストを狙います。

そのほか、ヴィクトリア・サフォノワ選手(AIN ※ベラルーシ)、ヴェロニカ・ジリナ選手(アゼルバイジャン)、ソフィア・サモデルキナ選手(カザフスタン)と、なかなか濃いラインナップ!
男子シングルはグメンニク、ジキジ、ルトフリンが揃う
本記事公開時点のシニア男子エントリー数は10名。
AIN2はピョートル・グメンニク選手、ウラジスラフ・ジキジ選手、グレブ・ルトフリン選手の3名。
グメンニク選手とジキジ選手は木下グループ杯、ルトフリン選手はネペラメモリアルに続く出場です。

このうち唯一GPS待機リストに入っていないグレブ・ルトフリン選手は、先日のネペラメモリアルで251点を出しています。

他大会なら優勝もありうるスコアですが…
今回のメンバーだと、優勝して待機リスト入りするのは大変そうですね…
地元ミハイル・シャイドロフ選手の出場は予定されていないので、木下グループ杯のペアのように、AIN2(ロシア)の3選手が揃って表彰台に上がる可能性も十分ありそうです。
アイスダンスは「トゥルベル」「グリパー」のほか、AINの注目組も
優勝争いの中心になりそうなのは、「トゥルべル」ことユリア・トゥルッキラ/マティアス・ベルスルイス組(フィンランド)と、「グリパー」ことキャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ組でしょう。
ロシアからAINとして出場するのは3組。
中でも木下グループ杯2位だった「カガネク」ことワシリーサ・カガノフスカヤ/マキシム・ネクラソフ組は、9月のロシア・テストスケートの5分間練習中に他選手と衝突。
マキシム・ネクラソフ選手が腕を負傷し、演技を棄権するアクシデントがありました。

その後のMRI検査では骨折や靱帯損傷はなく、脱臼だったことが判明。コーチもデニステン杯に向けて調整を続けると話しています。

ロシアからは、イリーナ・ハブロニナ/デイヴィド・ナリジニー組と、先日「カガネク」と衝突したアンナ・シチェルバコワ/エゴール・ゴンチャロフ組もAINとして出場予定です。
シチェルバコワ/ゴンチャロフ組は昨季ロシア選手権5位。
一方のハブロニナ/ナリジニー組は、2024-25シーズンのロシア選手権3位の実力者ですが、昨季は怪我で全休。先日のネペラメモリアルが久々の国際大会で、7位に入っています。
配信&日本時間スケジュール
「デニス・テン メモリアル」は昨年はYouTubeで公式無料配信がありましたが、今年どうなるかは本記事公開時点では不明です。
<10/4追記>
⇒公式無料配信情報のページが公開されました
| 日付 | 競技予定(日本時間) |
|---|---|
| 10/8(木) | 女子SP 21:05~/男子SP 翌0:00~ |
| 10/9(金) | アイスダンスRD 21:15~/女子フリー 23:30~ |
| 10/10(土) | アイスダンスFD 16:00~/男子フリー 18:30~ |
※ペアの実施はなし。ジュニア競技も開催されますが、ここではCS対象となるシニア競技のみ掲載しています。
※当初掲載していたスケジュールが誤っていたのに修正が遅れてしまい、申し訳ありません。下記の表は正しいスケジュールに変更済みです。
<10/8追記>GPS開幕前最後のCSは「ブダペスト杯」(10月16~18日)
そして日本時間10月16~18日には、GPS開幕前最後のCSとなる「ブダペスト杯」が開催されます。
10月7日にISU公式エントリーが公開されました。この時点での出場予定は男子31人、女子41人、アイスダンス23組。特に女子はロシア選手権メダリストのAIN選手2人に加え、欧州や北米の有力選手も多数エントリーしています。(ペアはシニア・ジュニアともに実施なし)
女子|ロシア選手権メダリスト2人が出場、シニアCTES挑戦組にも注目
女子の注目は、AINとして出場するロシアのアリーナ・ゴルバチョワ選手とマリア・ザハロワ選手です。
ゴルバチョワ選手は2025年ロシア選手権3位、同年のロシアGPファイナル2位。ザハロワ選手も2026年ロシア選手権で3位に入っています。ロシア国内で実績を残してきた2人が、国際大会でどのような評価を受けるのかは気になるところです。
このほか、アンナ・ペゼッタ選手(イタリア)、マデリーン・スキーザス選手(カナダ)、スイスのリヴィア・カイザー選手、キミー・レポンド選手、オーストリアのオルガ・ミクティナ選手などもエントリー。GPS開幕を前に、各選手の今季プログラムをチェックする機会になりそうです。
ミニマムスコア(CTES)への挑戦にも注目しています。

今季からオーストラリア代表としてジュニアグランプリシリーズ(JGPS)に出場していた村上遥奈選手は、シニアの国際大会に初挑戦。

まずは四大陸選手権のミニマムスコア(CTES75点)のクリアが目標といえるでしょう。
同世代のインガ・グルゲニゼ選手(ジョージア)と米国のソフィー・ジョリーン・フォン・フェルテン選手(米国)は、今季のCS大会で早くも世界選手権のCTES88点以上を達成しています。(フォン・フェルテン選手はネペラメモリアルで88.44点と、ギリギリでのクリアでした!)
木下グループ杯で、世界選手権のミニマムスコアへの挑戦を注目していたアンドレア・モンテシノス・カントゥ選手(メキシコ)も出場予定。木下グループ杯では届かなかったため、今回も再挑戦となります。

男子|エイモズの新FS「鏡の中の鏡」が楽しみ!
男子の上位争いでは、ダニエル・グラッスル選手(イタリア)、ケヴィン・エイモズ選手(フランス)、ルーカス・ブリッチギー選手(スイス)らが注目されます。
彼らの調子次第では、ゲンリッヒ・ガルトゥング選手(ドイツ)あたりの欧州の若手が食い込んでくるかもしれません。
個人的に特に楽しみなのは、エイモズ選手の新フリーの初披露。
使用曲は、宇野昌磨さんがシングル現役最終シーズンに使用した「Spiegel im Spiegel(鏡の中の鏡)」。カール・ヒューゴーさんらが制作に関わったオリジナル曲「Miroir」も使用しています。
――この組み合わせとあっては、たいていの宇野昌磨ファンは注目せずにはいられないのでは?
引退翌年にジェイソン・ブラウン選手がフリーに「鏡の中の鏡」を選び、2025ボストンワールドで素晴らしい演技を見せたときはかなり複雑な想いをしました。

でも、今回はどんな音楽に仕上がっているのか、そしてエイモズ選手がどう演じるのか、とても楽しみにしています。
エイモズ選手のプログラムの話ばかりになってしまいましたが、他の注目ポイントも少しだけ。
今年の全米ジュニア王者、パトリック・ブラックウェル選手(米国)がシニア国際大会に初挑戦。今季はすでにJGP2大会に出場していますが、今のアメリカの男子選手層を考えると、今回の大会でシニアの世界選手権ミニマムスコア(CTES)109点を獲得しておきたいところですね。
そのほか、個人的にはフィンランドのマカール・スンツェフ選手とマティアス・リンドフォース選手の国内代表争いも気になります。メキシコのドノヴァン・カリーヨ選手も出場予定です!
アイスダンス|スマディクを中心に、気になる組が多数
アイスダンスは23組がエントリー。優勝候補は、ネペラメモリアルで197.22点を出して優勝した「スマディク」ことオリヴィア・スマート/ティム・ディーク組(スペイン)でしょう。
今季RDのゾンビダンスと個性的なFDについては、先日の記事でも語りました。

ほかにも、「ブラサマ」ことエミリー・ブラッティ/イアン・サマービル組(米国)、チェコのタシュラー兄妹ことナタリー・タシュレロワ/フィリップ・タシュレル組(チェコ)、「ピリハラ」こと折原裕香/ユホ・ピリネン組(フィンランド)、「ロイテオ」ことロイシア・ドゥムジョ/テオ・ル=メルシェ組(フランス)などが出場予定です。
私はCS大会でのアイスダンスでは、新プロを見られることを最大の楽しみにしているのですが、上記の組はいずれも2戦目以降です。
AINとしてロシアからエントリーしている2組の今季プロは、私は初見です。ワシリサ・グリゴリエワ/エフゲニー・アルチュシチェンコ組は2025年ロシアジュニア選手権優勝、ミラナ・クズミナ/ドミトリー・ストゥデニキン組もロシア国内GPファイナル出場経験があります。国際大会でどの程度の評価を受けるのかにも注目したいところです。
配信・スケジュール情報
ブダペスト杯はHUNSKATE TVで有料配信されます。
単日11.99米ドル、3日間通し29.99米ドル。3日間通しの購入画面には、ライブ配信とオンデマンド視聴へのアクセスが案内されています。
大会公式サイトとリザルトページ、日本時間での競技スケジュールについては、確認でき次第追記します。
さいごに
日本時間10月23日からは、いよいよフランス大会でGPSが開幕します。11月以降もCS大会は続きますが、シーズン序盤のCSはここでいったん一区切り。ここからさらに面白くなってきそうです。

なかなか書き終わらない「今季序盤CS大会で気になったアイスダンス演技」記事は、明日公開する予定です~
⇒ 公開しました!


