1月下旬の米国航空機墜落事故の犠牲者を追悼し、犠牲者の家族への寄付金を募るアイスショー「Legacy on Ice」が日本時間の3月3日午前5時から開催されました。
その様子は全世界に配信されているので、私達も視聴可能です。
2025/3/5追記 <本記事最終項目にも関連記事情報を追記>
ショー終了後もしばらく視聴できていたのですが、その後非公開になったようで現在は視聴できません。
個別の演技の公式動画が、米スケート連盟や米国メディアなどからyoutubeにアップされているので、Legacy on Ice(必要であれば スケーター名をプラス)で検索すればいくつか演技は視聴できると思います。
私は早送りでほんの少し観ただけで、どの演技もきちんと視聴していません。
何だか今の私はまだ観ちゃいけない気がしちゃいまして。
それは、「追悼アイスショーが企画されていて日本でも配信が視聴可能らしい」という情報を知り、Legacy on Ice公式サイトを見た際、あまりにも豪華な出演者陣に正直心が踊ってしまったのが原因です。
アンバー・グレン選手やイリヤ・マリニン選手、マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組、ジェイソン・ブラウン選手、エリー・カム/ダニエル・オシェイ組、ジェイソン・ブラウン選手、アリサ・リウ選手など現役トップスケーターが出演者に名を連ねています。
そして、あのネイサン・チェンさんが久々にアイスショーに出る!?
ショースケーターを引退したジョニー・ウィアーさんも滑るかも?
スコット・ハミルトンさんやブライアン・ボイタノさんやポール・ワイリーさんまで!!??
ー長年フィギュアスケートを観てきたファンはたまらない出演者情報に、正直ワクワクしてしまった自分がいました。
しかし、そもそもこのショーが何故開催されることになったのか?
それを思うと一瞬ワクワクしてしまったことに気が滅入りました。

ショーは大盛況で大きなアリーナが満席に。
「昔懐かしいあのスケーターが滑る姿をもう一度見られるかも?」とワクワクした気持ちで会場に向かった観客も中にいたでしょう。プログラムは滑らずに一部出演のみの方も多かったようですが、それでもオールドファンは嬉しいはず。
でも、そこに行くことに意義がある。チケットにお金を払い、寄付をすることに意義がある。何よりショーを通じて犠牲者の冥福を祈ることに意味があります。
とはいえ異国に住む私が、追悼の気持ちより高揚感が上回りかねない状態で安易に見ちゃいけない気もする。
でも、このショーの目的は犠牲者のことを知ってもらいたい、追悼してもらいたい、犠牲者や救命活動に携わった人たちを応援してほしいーということでしょう。それを変な遠慮で見ようとしないってのもまた違う気がします。
なので少し時間をおいてから視聴し、寄付を考えたいと思います。
※公式サイトの「DONATE」から寄付ページに飛びます
彼らに直接寄付できない場合は、何か日本国内で交通遺児育英会や災害の被災者向けの寄付などをするのもいいかもしれません。「見せてもらうだけ」なのは余りにも心苦しく思われるショーです。
出演スケーター達は、会場に設けられた祭壇に花を手向けてから演技を開始していました。事故で父と兄を亡くした13歳のイザベラ・アパリシオさんと、ご両親を亡くしたマキシム・ナウモフさんも演技を披露したようです。
ナウモフ選手はお父様が好きだった曲で滑ったのだとか。今彼はご両親が指導していたスケーター達を代わりに指導しているとの噂を聞きました。もともと一時期コーチ業をしていたものの、周囲の勧めもあり再び試合に力を入れるようになっていたこともあり、コーチ業自体は初めてではないとのこと。指導者がいきなりいなくなってしまったスケーター達の支えになることが、彼自身を支えているのかもしれませんね。
ロシア在住の祖父祖母の生活を支えていたご両親がいきなり亡くなるという現実はかなり大変だと思います。来季現役を続けるのかどうかはわかりませんが、Legacy on Iceの基金が犠牲者の遺族たちに少しでも役立てることを祈ります。
3/5&3/7追記:NYタイムズ等による良記事
ニューヨークタイムズが出したこのアイスショーについての詳細な記事がとても良い内容です。ショーの内容をただ伝えるだけでなく、このショーに関係していた人たちの想いが丁寧に取材されています。

大切な家族や友人を失ったスケーター達は勿論のこと、犠牲者が直前にウィチタで参加していた育成キャンプのコーチを務めていたアシュリー・ケイン選手とグレイシー・ゴールド選手は、直前まで活力あふれる彼らと接していたこともあって涙を抑えきれなかったようですね。
ショー当日、心のケアのための犬が会場のあちこちに配されており、出演スケーター達の役に立っていたことがわかります。長文記事ですがよろしければ日本語翻訳をかけてどうぞ。
3/7追記
ISUの記事もまとまっていて良かったので紹介しておきます。

